5日目・前編(2017/10/10)
(「在りし日の夕張支線 16.1kmの旅―2017年 秋の道央を巡る旅・Part3」の続き)
旅行5日目の行程:
10:00 札幌駅(いまここ!) → (函館本線)11:20 小樽駅 → 小樽駅構内 散策 → 11:40 小樽市内散策 → 11:50 手宮線跡地 散策 → 12:30 小樽運河 → 13:30 小樽駅 → 札幌駅 → 新千歳空港〈完〉
※旅行5日目の旅行記は時系列ではなく、内容に応じて観光編(本記事)と鉄道編(次回)に分けています。本記事は上述の行程のうち赤字部分が対象です。
秋の小樽ミニ観光
小樽への旅路(函館本線 札幌~小樽)
旅行5日目、この日は朝10時頃に札幌駅にやってきました。
- 札幌駅 南口駅舎
この日は旅行最終日。東京へと戻る飛行機の出発時刻までは時間があったので、北海道で人気の観光地・小樽へと向かうことにしました。
札幌駅から乗車した函館本線の区間快速・小樽行きの列車は始め大都市・札幌のビル群や住宅街を走り抜けます。その後、札幌駅から9駅先の「ほしみ駅」を過ぎると車窓からは工場・倉庫群が広がるようになります。
そして次の銭函駅を出ると車窓からは突如として雄大な海を一望できるようになります↓
- 函館本線から望む石狩湾(銭函~朝里)
- 函館本線から望む石狩湾(銭函~朝里)
- 函館本線から望む石狩湾(銭函~朝里)
- 函館本線から望む石狩湾(朝里~小樽築港)
- 函館本線から望む石狩湾(朝里~小樽築港)
車窓から見える海は日本海に面する石狩湾。銭函~小樽築港の区間は、石狩湾の絶景が約10分に渡り一望できる函館本線屈指の絶景区間となっています。
小樽築港駅の手前でトンネルを抜けると約10分続いた海沿いから離れ住宅街に入ります。
そして小樽築港駅から2駅隣が小樽観光の拠点となる小樽駅です。
日銀通り
11時40分頃に小樽駅を後にした私は、小樽駅の周辺を散策しました。
- 小樽駅 駅前から延びる中央通り
最初の目的地は明治末期生まれの洋式建物である日本銀行旧小樽支店金融資料館。そこへ向かうために小樽駅前から線路に沿って走る国道5号を南に向かって歩き、日銀通りへと向かいました。
日銀通り沿いには商店街の入口や歴史的な建造物などが建っていました。
- 旧向井呉服店支店倉庫。私が訪れた時にはカフェが入っていた
- 旧向井呉服店支店倉庫
- 小樽都通り商店街
そんな小樽の街並みを眺めながら歩みを進めると、目的であった日本銀行旧小樽支店金融資料館が見えてきました。
- 日本銀行旧小樽支店金融資料館
この建物はその名の通りかつては日本銀行の小樽支店として使われていた建物。小樽支店は2002年に廃止されましたが、建物は改築工事を経て2003年に日本銀行の金融資料館としてリニューアルオープンし現在に至っています。
その歴史は古く明治最後の年である1912年竣工の建物で築100年以上経過しています。今回は建物内の見学はしませんでしたが、外から見ただけでも見応えのある建物でした。
小樽運河を歩く
この後は近くにあった旧国鉄・手宮線跡地を散策しながらを北へと向かい、小樽市総合博物館 本館前まで到達しました(詳細は次回記事にて)。そこからは海に向かって歩みを進めます。
突き当りを右に曲がってしばらく歩くと、幅の広い水路が見えてきます。ここが小樽市の有名な観光スポットである小樽運河です。
小樽運河は船からの荷物の積み下ろしを倉庫の近くで行うことを目的に1923年に完成した運河です。
かつての小樽運河は幅40mの運河で、戦前は荷物を運ぶ船が行き交い、運河沿いには多くの倉庫が建っていました。しかし戦後になると埠頭が整備されたり、陸上輸送が発達したことで運河としての役割を終えました。
そして1986年、道路の拡張工事に伴い運河の南側が幅20mに渡って埋め立てられて現在の姿になっています。
現在の小樽運河は、埋め立て工事が行われて幅20mの運河となった南側(こちらが観光名所としての小樽運河)と、昔と同じ幅40mの運河として取り残された北側(通称「北運河」)に分けられています。
今回の散策では北運河の北端から南側の小樽運河へと向かって歩みを進めました。
北運河
ここが小樽運河の北側、通称「北運河」と呼ばれる運河です。
- 北運河(北端からの眺め)
- 北運河の北端脇に建つ建物
北運河の北端近くの陸側(上の1枚目の写真右手)には運河公園と呼ばれる広場がありました。
- 運河公園
- 運河公園内の看板。この辺りはかつて日本郵船 船入間があった場所であったことが記載されている
運河公園の中央には噴水があり、その奥には国の重要文化財に指定されている「旧日本郵船小樽支店」の建物が見えていました。
- 運河公園の噴水と旧日本郵船小樽支店
- 旧日本郵船小樽支店
ここからは運河沿いの陸側の道(手宮仲通り)に沿って北運河を南下していきました。
下の写真は北運河にかかる北浜橋という橋。橋の上からは幅の広い北運河を一望することができます。
- 北浜橋
- 北浜橋から望む北運河(北側)
- 北浜橋から望む北運河(南側)
- 北浜橋近くに建つ「北運河」と大きく書かれた倉庫(旧渋澤倉庫)
そしてここからしばらく南下して大通り(小樽臨港線)に差し掛かると昔ながらの小樽運河の風景が残る北運河は終わりを告げます。
小樽運河
大通りに差し掛かる直前から始まる運河沿いの遊歩道に入ると、運河沿いには廃墟のような大きな建物が見えてきます。
- 北海製罐 小樽工場 第三倉庫。なおこの辺りが北運河と小樽運河の境界になっている
こちらの建物は北海製罐という企業の小樽工場内にある第三倉庫。運河に面する通路には幾重にも階段が張り巡らせており、その光景は映画で見るような軍隊の寮か、某ジブリ映画で見るような工場のような光景で、とても印象に残りました。
- 北海製罐 小樽工場 第三倉庫。ちょうど観光船が通過するところであった
- 北海製罐 小樽工場 第三倉庫。倉庫の暗い壁と青い空の対比がとてもきれいなお気に入りの1枚
この辺りは運河沿いの遊歩道の北端ということもあってかあまり人はいませんでしたが、個人的にはお気に入りの建物です。
この倉庫の近くには竜宮橋という橋がありました。そこから北側を見ると、運河の幅が途中で変わっているのを見ることができます。そこから北側が昔の幅40mのまま残された北運河、そして南側が道路の拡張工事や遊歩道の整備によって埋め立てられた小樽運河となります。
- 竜宮橋からの眺め(北側)。写真中央付近の船の手前で運河の幅が狭くなったのが分かる
- 竜宮橋からの眺め(南側)
再び運河沿いの遊歩道に沿って南下すると、途中に蒸気機関車が描かれた壁画がありました。
説明看板によると、日本で三番目、北海道で最初の鉄道が札幌ー手宮で開通したこと(今の函館本線 札幌~南小樽および旧国鉄・手宮線)、開通当時は左側の壁画に書かれた蒸気機関車が走っていたことなど書かれていました。
- 小樽運河沿いの壁画。蒸気機関車の絵などが描かれていた
- 小樽運河沿いの壁画の説明看板
さらに南下すると中央橋に到達します。中央橋は小樽駅前から延びる中央通りの突き当りにある橋です。
- 中央橋から望む小樽運河(北側)
- 中央橋から望む小樽運河(南側)
この中央橋から南側の浅草橋までの間が小樽運河観光の中心地区、最も有名なエリアとなります。
観光客もこの中央橋から浅草橋までの間に集中しており、多くの観光客が運河や倉庫をバックに記念写真を撮っていました。
- 小樽運河沿いの倉庫群
- 小樽運河沿いの倉庫群
- 浅草橋から望む小樽運河(北側)
北運河の北端から小樽運河南端の浅草橋まで小樽運河を満喫した約30分の散策でした。
小樽運河食堂
最後に訪れたのは浅草橋の近くにある小樽運河食堂。
- 小樽運河食堂
正式名称は「旧浪華倉庫」。木骨石造の古くから残る建物で、現在は「小樽運河食堂」という複合施設になっています。建物内には複数の飲食店が軒を連ねており、昔ながらのレトロな雰囲気を味わえる内装になっていました。
私は小樽運河食堂に軒を連ねる飲食店で昼食を取りました(小樽ラーメンを食べた記憶がありますが、記録に残っていないため詳細は不明です)。
昼食を食べ終わった私は、再び浅草橋へとやってきました。そして秋の小樽運河をしばらく眺めた後、小樽駅に向かって歩き出しました。
今回の記事はここまでとなります。
次回(最終回)は「小樽ミニ散策・鉄道編」と題し、今回の記事では触れなかった小樽駅構内と手宮線跡地の散策について書きたいと思います。
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