人生初の西鉄電車―2018年 九州北部一周の旅・Part2

1日目・前編2(2018年12月15日)
~人生初の西鉄電車~

(「十数年ぶりの九州上陸~富士山眺める空の旅~―2018年 九州北部一周の旅・Part1」の続き)

福岡空港から天神へ

福岡空港

午前12時15分頃に福岡空港に着陸した飛行機の機内には、滑走路を走るタイヤの音と振動、そして減速のためのエンジンの逆噴射による轟音が響いていました。

エンジンの逆噴射と主翼のフラップにより急速に減速した飛行機は、やがてエンジンの逆噴射を終え、ゆっくりとした速度で国内線旅客ターミナルビルへと向かいました。

着陸してから約5分後の午前12時20分頃、飛行機は国内線ターミナルビルに到着しました。

そして午前12時25分頃、ついに私は十数年ぶりに九州の地に降り立ったのです。

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飛行機を降りた私は到着口へと向かいました。

その道中には九州各地の観光ポスターが貼られていましたが、その中で目を引いたのが4日目に乗車する松浦鉄道の走る長崎県・松浦市のポスターでした(写真は撮り忘れましたが…)。ちょうどこの旅行の数日前に、会社の同期がふるさと納税の返礼品で松浦市の牛肉を申し込んだという話を聞いていたので特に目が付きました。そのポスターに映る松浦市の海と山はとても綺麗で、途中下車の予定はないとは言え別の機会に一度訪れてみたいと思うほどでした。

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荷物受け取り場でスーツケースを受け取った私は到着口を通過しました。到着口は福岡空港の国内線旅客ターミナルビルの1Fにあり(2018年12月当時)、通路を挟んだ反対側にはレストランがありました。このレストラン「HAKATA空香DINING」でチーズハンバーグを食べた私は、いよいよ九州での7泊8日に及ぶ長く濃い旅路を始めることになるのです。

地下鉄で博多・天神駅へ

レストランを出た私はスマホで調べたマップと空港内の案内板を頼りに国内線旅客ターミナルビルの地下2階にある福岡空港駅に向かいました。

ここから乗車する福岡市地下鉄空港線は福岡市博多区にある福岡空港駅と福岡市西区にある姪浜駅を結ぶ全長13.1kmの路線で、一部の列車はJR筑肥線に乗り入れています。空の玄関口である福岡空港、鉄道の玄関口である博多、そして九州一の繁華街である天神を結ぶことから短い路線ながら需要は高く、実際に乗車したときも車内は多くの人で賑わっていました。

私の乗車した13時06分発の姪浜行きの列車は、福岡空港駅を出発した列車は6分後には2駅隣の博多駅に到着しました。福岡空港駅から2駅先の博多駅ではスーツケースを持った乗客の多くが下車し、代わりにスーツケースを持たない観光客や地元の若者が多く乗車してきました。

それから乗車すること5分、列車は3駅隣の天神駅に到着しました。

ここ天神駅で下車した私は、九州地方の誇る大手私鉄・西日本鉄道(通称:西鉄)に乗り換え、学問の神様・菅原道真が祀られている太宰府天満宮の最寄り駅である太宰府駅を目指しました。

人生初の西鉄乗車

西鉄福岡駅

地下鉄・天神駅の中央改札口を出ると目の前にはおしゃれなイルミネーションが広がっていました。

ここから西鉄福岡駅へと向かうには、まず180度回れ右をして6番出口から上に上がります。そして案内板に従って地下街を数分ほど歩いたのち、1階へと上がりました。

そこから外に出てみると大きな通りになっており、ビルやデパートが道路沿いにたくさん建ち並んでいました。福岡空港を出てからずっと地下にいた私が初めて目にした福岡の街は想像以上に都会的でした。

そして私は今出てきた福岡パルコの2階にある西鉄福岡駅の改札へと向かいました。

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2階に上がった私はまずスーツケースを預けるためにコインロッカーを探しました。改札側に少し行ったところの小さめのロッカーは埋まっていましたが、改札から離れた福岡パルコ側にある大きなロッカーが幸いにも開いており、そこにスーツケースを預けました。

そしてそこからいよいよ西鉄福岡駅の改札に向かいました。その道中には吹き抜けになっている場所もあり、「西鉄福岡(天神)駅」と書かれた大きな看板とそこを行き交う多くの人たちを見下ろせるこの光景は圧巻でした。

そして天井が高く開放感のある通路をさらに進むと、遂に西日本鉄道のターミナル駅である西鉄福岡駅の北口改札が姿を現しました。

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さて西日本鉄道と聞くと東日本の人ならば西日本(関西~九州)を股にかける鉄道会社なのではないかと思うかもしれません。しかし実態は福岡県内のみを走る鉄道会社であり、私もそのことを知ったときには驚いた記憶があります。

ではなぜ福岡県内しか走らないのに西日本鉄道というのか。それは九州地方では九州のことを西日本と呼ぶ風習がある(九州が近畿に対して西側にあるから、もしくは日本の西の方にあるから)ため(Yahoo知恵袋調べ)で、決して本州への進出を目論んでいたわけではないそうです。

西日本鉄道は2018年現在、福岡県内に4つの路線を持ちます。その中核となるのがこれから乗車する天神大牟田線です。

西日本鉄道・天神大牟田線(以下、西鉄天神大牟田線)は、福岡市中央区にある西鉄福岡駅と福岡県最南端の大牟田市にある大牟田駅を結ぶ全長74.8kmの路線で、今いる西鉄福岡駅はその始発駅であり、西鉄最大のターミナル駅となっています。

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そんな西鉄福岡駅の北口改札は自分の想像以上に規模の大きい改札でした。改札機は横に14機並び、その上には大きな電光掲示板が掲げられていました。

Suicaで入場すると、そこにも大きな電光掲示板が掲げられていました。

西鉄福岡駅は3面3線の構造をしており、一番左が1・2番線ホーム、真ん中が降車専用ホーム、そして一番右が3番線ホームとなっています。私が来たときには新しめでスタイリッシュな西鉄3000形とちょっと古めで可愛らしいアイスグリーンの西鉄6000形が停車いました。

このうち私は3番線に停車していたスタイリッシュな電車に乗車しました。

そして私を乗せた急行・小郡行きの列車は13時48分に定刻通り西鉄福岡駅を出発しました。

西鉄・天神大牟田線(西鉄福岡~西鉄二日市)

西鉄福岡駅を出発した列車は左に大きくカーブしながら福岡のビル群の中を走り抜けました。そしてカーブを抜けると列車はそのまま次の停車駅・薬院駅に停車しました。薬院駅を出発してしばらく経つと車窓からはビル群が消え、代わりにマンションや住宅が見えるようになってきました。

そして西鉄福岡駅を出発してから約20分後の14時07分、列車は急行として5駅目の停車駅にあたる西鉄二日市駅に到着しました。久留米・大牟田方面へと向かう場合はこのまま乗車しますが、大宰府へと向かう場合はここで太宰府線に乗り換えとなります。

西鉄二日市駅

西鉄二日市駅で列車を降りた私は階段を上り跨線橋へと向かいました。

大宰府方面へと向かう西日本鉄道・太宰府線(以下、西鉄太宰府線)の列車が発車する1番線ホームはカーブを描いた狭めのホームで、線路は2番線ホームとの共有されていました。ホームに停車していたのはこちらもアイスグリーン色の西鉄7000形列車でした。

車内には大宰府へと向かう観光客と思しき人たちが多く乗っていました。そして私を乗せた14時11分発の普通・大宰府行きの列車は定刻通り太宰府駅を出発しました。

西鉄・太宰府線

西日本鉄道・大宰府線は福岡県築野市にある西鉄二日市駅と太宰府天満宮の最寄り駅である太宰府市の太宰府駅を結ぶ全長2.4kmのミニ路線で、ほとんどの区間は太宰府市内を通っています(西鉄二日市駅の北側が市境になっている)。中間駅は1駅のみ(西鉄五条駅)で、全線単線となっています。

西鉄二日市駅を出発した列車は大きく右へとカーブして西鉄天神大牟田線から離れていきます。車窓からは終始太宰府市内の住宅街やスーパーが広がっていました。

途中の西鉄五条駅では西鉄二日市行きの列車との行き違いを行いました。そこにやってきたのはカラフルな塗装が施された西鉄の観光列車「旅人」でした。

西鉄のHPによると、観光列車「旅人(たびと)」は、大宰府天満宮にちなんで和のテイストを施した塗装がされている観光列車で、基本的には太宰府線内の普通列車として運転されているそうです。「旅人」の由来は、大宰府で多くの歌を残したとされる奈良時代の歌人・大伴旅人から取っているそうです。ちなみに大伴旅人は、2020年時点での元号である「令和」の由来となった万葉集「梅花の宴」が催された邸宅の持ち主でもあるそうです。

そんな列車を横目に西鉄五条駅を出発した列車は数分後には終点の太宰府駅に到着しました。西鉄二日市駅を出発してから約5分間の短い旅でした。

太宰府駅

太宰府駅 構内

太宰府駅は3面2線のホームで、某フリー百科事典によると、真ん中の島式ホームが乗車専用ホーム(2・3番線ホーム)、端の2面のホーム(1番線ホーム・4番線ホーム)が降車専用ホームとなっているそうですが、今回なぜか私は乗車専用ホームである2番線に降り立ちました。

太宰府駅の屋根は太宰府天満宮を意識してか柱には赤い塗装が施されており、どこか厳かな感じがしました。また駅名標には梅の花(?)をモチーフにしたデザインが施されていました。

太宰府駅 駅前

改札口から出て駅舎の外に出るとそこにはこじんまりとしたロータリーがありました。駅前は多くの観光客で賑わっており、さすがは九州有数の観光地だと思いました。

太宰府駅の駅舎は、駅前が工事中だった関係で少しかぶってしまいましたが、太宰府天満宮を思わせるようなたたずまいをしていました。

そして太宰府駅前のロータリーを抜けて右手を向くと、そこには太宰府天満宮へと続く石畳の参道が延びていました。

 


1日目の途中ですが、今回の記事はここまでとなります。

この後は、遂に学問の神様が眠る太宰府天満宮を参拝することになるのですが、続きは次回の記事に書きたいと思います。

 

続きは「大宰府観光〈前編〉~学問の神様・太宰府天満宮へ~―2018年 九州北部一周の旅・Part3」へ。

「2018年 九州北部一周の旅」のその他の記事はこちら、その他の旅行記はこちら

 

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