2018年 北海道一周の旅Ⅱ・Part15-旅の終わり〈前編〉~室蘭支線・7.0kmの旅~

9日目(最終日・前編)(2018年3月6日)
~旅の終わり〈前編〉―室蘭支線・7.0kmの旅―~

(「2018年 北海道一周の旅Ⅱ・Part14~遂に日本最北端の地・宗谷岬へ!」の続き)

旭川から東室蘭へ

特急「カムイ」で札幌へ

前日は日本最北の路線・宗谷本線で日本最北の街・稚内、そして日本最北端の地・宗谷岬を訪れた私。前日のうちに稚内から旭川へと日帰りした私はもはや満身創痍で、これ以上の旅を続けるのは難しいと感じました。

そこで、当初は2日かけて旭川から鉄路で上野まで戻る予定でしたがこれを断念し、1日で東京まで戻ることにしました。

しかし鉄路を使うという点は変わらないので、結果的に最終日となったこの日も早朝6時半には旭川駅のホームに来ていました。ホームに来ていたのは特急「カムイ6号」札幌行きの列車です。

午前6時45分、私を乗せた特急「カムイ6号」札幌行きの列車が旭川駅を出発しました。平日の朝ということもあり通勤客で混むのかなと思っていましたが、比較的空いておりゆっくりできたと記憶しています。

旭川駅を出発してから約1時間40分後の午前8時26分、列車は終点の札幌駅に到着しました。ここで千歳線の列車に乗り換えました。

千歳線・室蘭本線(苫小牧~東室蘭)の旅

午前8時35分発の「エアポート快速84号」新千歳空港行きに乗り込んだ私は南へと向かいます。

(ちなみに、前日の宗谷岬での「iPhoneシャットダウン事件」の影響を考慮して、しばらく写真撮影をしていません…)

札幌駅を発車して16分後の午前8時51分、私は途中の北広島駅で下車して8時57分の普通・苫小牧行きの列車に乗り換えました。そして南千歳駅を出発するとまだ未乗区間であった南千歳~沼ノ端の区間へと入りました。

南千歳を出た列車は、新千歳空港方面に延びる支線と別れ、さらに帯広方面へと向かう石勝線の線路をオーバークロスして南へと進みます。

そして列車は9時49分に苫小牧駅に到着しました。

———

苫小牧駅には5年前の1度目の北海道一周の旅で訪れて以来の訪問となりました。ここから室蘭本線に乗車して西へと向かいます。

さて、室蘭本線は長万部~東室蘭~苫小牧~岩見沢を結ぶ本線と東室蘭~室蘭を結ぶ支線から構成されていますが、このうち乗車していなかった区間は苫小牧~東室蘭(特急列車で通過)、東室蘭~室蘭の支線、そして日本一の秘境駅・小幌~長万部までの区間です。

というわけで普通列車での室蘭本線の完乗を果たすために、苫小牧駅に約30分ほど滞在し、10時24分発の普通・東室蘭行きに乗りました。

私を乗せた列車は室蘭本線を西へと向かいます。

そして苫小牧を出発してから約1時間15分後の11時39分、列車は東室蘭駅に到着しました。

室蘭支線・7.0kmの旅

室蘭支線の旅

東室蘭駅からは室蘭市の中心駅・室蘭駅へと延びる室蘭本線の支線、通称「室蘭支線」が延びています。ここからその室蘭支線に乗車するのですが、次の室蘭行きの普通列車まで約50分間待ちだったので、東室蘭駅の改札を出て改札の前に座ったりうろちょろしたりしていました。

———

列車の発車10分くらい前にホームへと向かうと、そこにはもはや私の最も好きな普通列車といっても過言ではない1両編成のキハ40系が停車していました。

その列車に乗り込んだ私は、午前12時28分、定刻通り東室蘭駅を出発しましした。

———

室蘭支線は東室蘭から室蘭までを結ぶわずか7.0kmの路線ですが、今までの北海道の車窓とは全く異なる車窓が広がっており、その光景に異世界に来てしまったのではないかと目を疑ってしまいました:

車窓からは沿線に沿って続く工場地帯や、並走する国道36号の高架橋が見えていました。特に輪西~御崎の長い左カーブでは、進行方向右手に幾棟かのガスタンクを始めとする工場が広がっており、その車窓はまさに工業の街・室蘭を象徴するような車窓だと感じました。

(ちなみにこの記事を書くときに知りましたが、進行方向右手に見えていた工場地帯は全て日本製鉄(かつての新日本製鐵→新日鐵住金)の室蘭製鉄所の敷地だったそうで、その広さに脱帽しました)

そして最後の途中駅である母恋駅を出発し、途中にある室蘭支線唯一のトンネルを抜けると列車はゆっくりと室蘭駅に停車しました。これまでの北海道の旅で見たことのなかった異世界のような車窓を堪能した12分の旅でした。

室蘭駅

到着した室蘭駅は室蘭市の主要駅とは思えない1面2線の小さい駅でした。とは言え、東室蘭から普通列車となる特急「すずらん」が当駅まで乗り入れるため、ホームの長さは長く作られていました。今回乗車した1両編成の普通列車はその長いホームの端にちょこんと止まっていました。

室蘭駅のホームから改札へと向かうには、ホームの車止め側から延びる細長い通路を歩きます。そして改札を出ると円形の待合スペースになっていました。

駅舎の外に出ると、そこには室蘭市の主要駅とは思えない小さなロータリーがありました(あまりにも小さくて写真にすら撮っていなかったようです)。

そして振り返るとそこには円筒形で前面ガラス張りの真新しい室蘭駅の駅舎が建っていました。

この室蘭駅の駅舎、4代目の駅舎で一見するとつい最近できたように見えますが実は、1997年に建てられた駅舎で既に20年以上経っているそうです。

さて本当であれば室蘭駅の周辺を散策して、現在も保存されているという3代目の室蘭駅駅舎(通称:旧駅舎)を訪れる予定でした。この室蘭駅の旧駅舎、実は大正元年に建てられた現存する道内最古の木造駅舎で、国の登録有形文化財にも指定されています。

しかし旭川から東京までの移動を2日から1日へと短縮した結果、この後の列車の乗り継ぎの都合上、室蘭駅での滞在時間が15分しか残りませんでした。なので泣く泣く旧駅舎は断念してホームへと引き返しました。

そして12時55分発の普通・東室蘭行きに乗った私は東室蘭駅へと戻り、再び室蘭本線を西へと進みました。

 


9日目の途中ですが、今回はここまでとなります。

この後は室蘭本線・函館本線と乗り継ぎ、夕暮れの新函館北斗駅から帰宅の途に就きますが、続きは次回(最終回)の記事に書きたいと思います。

 

続きは「2018年 北海道一周の旅Ⅱ・Part16―旅の終わり〈後編〉~夕暮れの終点・新函館北斗へ」へ

「2018年 北海道一周の旅Ⅱ」のその他の記事はこちら、その他の旅行記はこちら

 

コメント