みなさん、こんにちは!
当サイトの管理人・会社員NKです。
今回から複数回に渡り書くのは、2018年の夏に行った3泊4日の東北縦断の旅です。
この旅行では大きく2つの目的がありました。一つは、東北地方を縦断しつつローカル線を巡ることです。東北地方の路線に乗ったことは何度かありますが、東北地方を主軸に置いた旅行はこれまでありませんでした。そのため、この旅行では長年の悲願だった東北縦断の旅を敢行することにしました。
そしてもう一つの目的は東北の被災地を巡ることです。2011年3月11日、東北地方を襲ったあの忌まわしき大震災。当時の私はまだ未成年でしたが、津波に呑まれる街や家の様子、津波が引いた後の街の惨状をテレビで見ていました。あれから7年が過ぎ、当時の東北の惨状、そして復興の様子をこの目で見たいという気持ちが日に日に強くなっていました。そしてこの年の夏休みを利用して、今の被災地の様子をこの目で見ることにしました。
今回の備忘録では、鉄道の旅行記としての側面と共に、東北の被災地の2018年当時の様子やそこで感じた思いを残していきたいと思います。
なお実際に旅行に行ってからこの記事を書くまで約半年が経っているので、記憶は少し曖昧になっていますが、当時の写真を基に記憶を辿りながら書きたいと思います。
1日目(前編)(2018年8月16日)
~東北本線縦断&松島海岸ミニ観光~
(このページは2019/6/15付で内容等の大幅な修正を加えました)
東北本線縦断の旅
東北本線で仙台へ
2018年8月16日の朝8時、私は上野駅5・6番線ホームにいました。今回の旅は「青春18きっぷ」を片手にここ上野駅からスタートします。
- 上野駅 駅名標
まずここから乗るのは東北本線です。東北本線は東京と盛岡の間を福島、仙台経由で結ぶ言わずも知れた日本の主要路線の一つです。かつては東京と青森の間を結んでいた日本最長の路線でしたが、東北新幹線の盛岡―新青森間開業に伴い、盛岡より北の区間が第三セクター化されたために盛岡まで短縮されています。東北本線は今でこそ上野東京ライン経由で東京駅に乗り入れていますが、2015年以前は上野駅を始発としていました。そのため今回の旅もここ上野駅より始めることにしました。
東北本線は一本の線路でつながっていますが、2018年現在、全区間を一本の列車で走る列車はなく、全部で9つの運転系統に分かれています。今回の旅では東北本線で仙台を目指しますが、その間に5回の乗り換えが必要となります。
まず乗り込んだ列車は上野駅7:57発の快速「ラビット」宇都宮行きです。上野駅を出発すると大宮駅まではまさに都会の中を走っている印象でしたが、大宮を出ると徐々にローカル線の色が出てきて、車窓には住宅地だけでなく田園風景も見られるようになりました。
上野駅を出発してちょうど1時間半後の9時27分、列車は定刻通り宇都宮駅に到着しました。ここから4分乗り換えで普通・黒磯行きに乗り換えます。宇都宮までは15両編成の列車でしたが、ここから先は4両編成になります。そのためか車内は少し混雑していました。
- 宇都宮駅 駅名標
- 宇都宮駅より乗車する普通・黒磯行き
9時31分に定刻通り出発した列車は住宅街や田園風景の中、北へと進んでいきます。
宇都宮駅を出発してから50分後の10時21分、列車は終点の黒磯駅に到着しました。ここから5分乗り換えで普通・新白河行きに乗り換えますが、そこにいたのはなんとE531系の列車でした。E531系と言えば常磐線のイメージが強かったことので、少々驚きつつもその列車に乗り込みました。
- 黒磯駅 駅名標
- 黒磯駅 構内の様子
- 黒磯より乗車する普通・新白河行き
- 普通・新白河行き(別アングル)
- 黒磯駅のホームより仙台方面を望む
- 黒磯駅 ホーム
10時26分に列車は定刻通り黒磯駅を出発しました。黒磯~新白河間は少し山が近いためか最もローカル色が強く感じました。
黒磯駅を出発してから24分後の10時50分、列車は定刻通りに新白河駅に到着しました。ここから3分乗り換えでホームに停車中の緑色の列車(普通・郡山行き)に乗り込みました。
- 新白河駅 駅名標
- 新白河より乗車する普通・郡山行き
10時53分に新白河を出発した列車は住宅や田園風景の中を引き続き北へと進んでいきます。
新白河駅を出発してから約40分後の11時32分、列車は郡山駅に到着しました。ここから7分乗り換えで普通・福島行きに乗り換えます。
- 郡山駅 駅名標
- 郡山より乗車する普通・福島行き
- 郡山駅ホーム
11時39分に定刻通りに郡山を出発した列車は福島に向かい北へと進んでいきます。
郡山駅を出発してから約50分後の12時27分、列車は福島駅に到着しました。ここから13分乗り換えで快速「仙台シティラビット5号」仙台行きに乗り換えます。
12時40分に定刻通りに福島駅を出発した列車は田園風景の中を北へと進んでいきます。そんな中、外では突如として大雨が降ってきました。雨音が窓を打ち付け外が見えなくなる中、列車は北へと進んでいきます。
- 大雨の降る桑折駅ホーム。写真上で雨粒が見えるほどの大雨である
そしていつしか雨が降りやんだ13時55分、列車は大雨をもろともせず定刻通りに仙台駅に到着しました。今回の東北本線の旅はここまでとなります。上野駅を出発してから約6時間の旅でした。
- 仙台駅 駅名標
- 仙台駅ホーム
- 仙台駅の改札内通路
- 仙台駅の中央改札口
- 仙台駅 中央改札口の正面にある大きなステンドグラス
- 仙台駅 西口の様子①
- 仙台駅 西口の様子②
- 仙台駅 駅舎(西口側)
仙石線で松島海岸へ
仙石線 あおば通~松島海岸
仙台駅に到着した私はここから仙石線に乗り換えます。
仙石線は、仙台駅の一つ隣のあおば通駅と水産の街として知られる石巻を結ぶ全長49.0 kmの路線です。仙石線は2011年の大震災に伴う津波の被害を受けた路線の一つで、特に津波の被害が大きかった高城町~陸前小野の間は復旧までに4年以上を費やしました。
この仙石線を皮切りに、翌日にかけて石巻線、気仙沼線、大船渡線、三陸鉄道・南リアス線と震災の被災地を走る太平洋沿いの路線を乗り継いでいき、被災地の現状を目の当たりにすることになりました。
さて仙石線の始発駅であるあおば通駅と仙台駅はそこまで離れていないため仙台駅から徒歩であおば通駅を目指しました。あおば通駅は地下駅のため入り口が少しわかりにくかったものの、何とか見つけることができました。
- あおば通駅の入り口
- あおば通駅の入り口を示す看板
- あおば通駅前から仙台駅方面を望む
地下に入り改札を抜けてホームに出ると、そこには各車両ごとに緑、紫、ピンクなど色が異なる4両編成の普通・石巻行きが停まっていました。これに乗り込み一路、松島海岸駅を目指します。
- あおば通駅 改札口
- 乗車した普通・石巻行き
- 最後尾の車両
- 後から2両目の車両
- ホームから線路の終端を望む
- あおば通駅 駅名標
14時20分に定刻通りに出発した列車はしばらく地下を走ります。その後、陸前原ノ町駅を過ぎたあたりでようやく地上に出ると、しばらくは住宅街の中を走りました。
その後、本塩釜駅を出ると進行方向右手には塩釜港が目に入るようになりました。この付近の区間は津波の被害を受けた区間の一つです。2018年現在、復興は進んでいるようでしたが、空き地が目立ったり、海岸沿いに土砂が盛られているなど、まだまだ完全には復旧していないという印象を受けました。
※震災直後の塩竈市の様子(塩竈市公式HP内)
https://www.city.shiogama.miyagi.jp/seisaku/shinsai/oshirase/hisaijashin/index.html
- 車窓から見る2018年現在の塩釜港(本塩釜~東塩釜)
東塩釜を出発すると車窓には日本三景で知られる松島の島々の一部が目に入るようになってきます。そして15時4分、列車は松島海岸駅に到着しました。
- 車窓から見る松島の島々(東塩釜~陸前浜田)
- 松島海岸駅ホーム
- 松島海岸駅ホームから仙台方面を望む
- 松島海岸駅の駅名標
- ホームから見る松島海岸駅の駅前
- 松島海岸駅ホーム(石巻寄りから撮影)
- 松島海岸駅の改札へと向かう階段
松島海岸ミニ観光
松島 概要
宮城県の松島は、宮島(広島県)、天橋立(京都府)と並ぶ日本三景の一つとして知られている風光明媚な場所です。沿岸の松島湾には大小260の島々が並び、その島々と海が相まって雄大な景色を見せてくれています。
本来であれば半日から1日かけて観光したいところでしたが、今回は旅程の都合上、滞在時間はわずか1時間。そのため本格的な観光は別の機会に行うこととし、今回は駅周辺の観光地をざっくりと廻る”ミニ観光”にすることにしました。
松島海岸の駅舎を出た私は国道45号沿いに歩き、松島湾の観光船乗り場を目指しました。この松島がある松島町もまた、津波の被害を受けた街の一つです。大部分は復興している印象でしたが、道沿いにはまだ更地のままのエリアもいくつかあり、7年以上経った2018年現在もなお復興は完全には終わっていないようでした。
※震災直後の松島町の様子(松島町公式HP内)
https://www.town.miyagi-matsushima.lg.jp/index.cfm/17,0,97,391,html
- 松島海岸駅 駅舎
- 松島海岸駅の駅舎とホーム
- 松島湾のフェリー乗り場に向かう道中。右手奥側はまだ更地のままである
松島湾観光船のりば周辺
松島海岸駅から歩くこと5分弱、最寄りの松島湾観光船のりばに到着しました。のりば前は広場となっており、そこからは松島湾の雄大な姿の一端を眺めることができました。
波の音と観光客の声が聞こえる中で眺める松島湾の島々。ここから見えるのはほんの一部ですが、松島湾に浮かぶ合計大小260の島々は、天然の防波堤として大震災の津波を和らげ、被害を最小限に抑えたとされています。あの日、この松島湾に浮かぶ島々が多くの命を救った―そう考えると感慨深いものがありました。
本当であればそんな松島湾の島々を遊覧船に乗って船の上から眺めたいところですが、今回は時間の都合上、乗船することはできませんでした。
- 松島湾の観光船のりば
- 松島湾の観光船の一つ
- 「日本三景 松島」の石碑
- 陸上から見る松島湾(観光船のりば近くより)
- 陸上から見る松島湾2(観光船のりば近くより)
観光船のりば前の広場の横ではお盆祭りか何かの祭りの準備が行われているようで、櫓が組まれてその周りに屈強そうな男が数名いたり、出店が並んだりしていました。
- フェリー乗り場横の祭りの様子(準備中か?)
- フェリー乗り場横に出店している出店
- これから向かう瑞巌寺の五大堂
- 日本三景の石碑
五大堂
観光船のりばから歩くこと数分、観光名所の一つの瑞巌寺(ずいがんじ)の五大堂の入り口に到着しました。
瑞巌寺は松島町内にあるお寺で国宝にも指定されています。その瑞巌寺の五大堂は、本殿の敷地から離れた沿岸沿いの小島に建てられた仏殿で、3つの小さな橋で本州と結ばれています。こちらも景勝地として知られ、私が訪れた時も数多くの観光客がいました。3本の赤い橋と島に植えられた松と思しき木々が織りなす景色はなかなか味わい深いものであり、口で説明するより写真で示した方が早いと思います↓
- 五大堂の入り口横の石碑
- 五大堂へ向かう一つ目の橋
- 一つ目の橋手前からの眺め
- 一つ目の橋上からの眺め
- 二つ目の橋
- 二つ目の橋の横にある看板
- 二つ目の橋の上より。隙間があり少しスリルを味わえる
- 二つ目の島からの景色
- 二つ目の島に置かれた建物
- 二つ目の島からの眺め
- 三つ目の橋
- 三つ目の橋の上より。こちらもすのこ状になっている。
- 五大堂
- 五大堂前から望む松島湾1
- 五大堂前から望む松島湾2
- 五大堂前から望む松島湾3
日本三景展望台(松島城)
再び本土側に戻り次に目指したのは松島城の「日本三景展望台」です。松島城といっても城跡ではなく元々観光ホテルとして建てられた天守閣風の建物でした。ホテルは2000年代前半に閉鎖されましたが、日本三景展望台として整備され、松島湾の眺めを見ることができるようになっているそうです。五大堂の出入り口を出て国道を挟んだ反対側が松島城の入り口でしたが、私が行ったときにはなぜか閉鎖されており、中に入ることはできませんでした。
- 今回は閉鎖されており行くことができなかった松島城
福浦橋(通称「出会い橋」)
次に向かったのは五大堂や松島城から徒歩約5分のところにある福浦橋です。福浦橋は松島湾に浮かぶ福浦島と本土を結ぶ全長252 mの漆塗りの橋で、「出会い橋」とも呼ばれる縁結びの橋としても知られています。
雨が降り始める中、福浦橋の入り口にたどり着きました。しかし福浦橋は有料(200円)の上、橋を渡れる最終時間(15時半だったと記憶しています)を過ぎており、残念ながら渡ることはできませんでした。
- 福浦橋と奥に見える福浦島
- 福浦橋入り口近くから見る松島湾
瑞巌寺 参道
雨の降る中、次に目指したのは瑞巌寺です。瑞巌寺の本殿へと通じる参道は、先ほどの観光船のりば前の広場まで戻り、国道を挟んだ反対側にあります。
参道に入り門を一つくぐると、そこは国道付近とは異なる荘厳な雰囲気に包まれていました。参道はここで真っすぐ本殿へと向かうルートと右に少しそれるルートがあり、右に少しそれた方のルートには石の洞窟があり、石碑や仏像などが安置されていました。
(ちなみに参道の杉並木はかつてはもっと植えられていたそうですが、津波による塩害で300本近くが伐採されてしまったそうです)
- 瑞巌寺の参道入り口
- 瑞巌寺の参道上の門
- 瑞巌寺の参道(門をくぐった直後)
- 瑞巌寺の参道の脇に建つ杉並木
- 遠回りルートの参道
- 遠回りルート横の石碑
- 遠回りルート沿いの洞窟に安置された仏像
- 瑞巌寺の参道脇にある鉄道殉職者慰霊碑と蒸気機関車の車輪
そして参道を奥に進むと、瑞巌寺の本殿の入り口に到着します。ここから先は有料なのですが、今回は十分に中を見る時間がないと考え中には入らないことにしました。左に曲がり参道沿いのお土産屋さんの中をのぞいたりした後、松島海岸駅へと戻りました。
- 瑞巌寺 本堂入り口
- 入り口横の像
- 入り口横の石碑
- 参道脇の様子
- 左に曲がった後の参道沿いの売店
今回は滞在時間が1時間しかなかったため、松島を十分に堪能できたとは言えませんが、一度降り立ってみて良かったと感じています。そしていずれまた松島をじっくりと観光したいと強く思っています。
1日目の途中ですが今回はここまでとなります。
この後、松島海岸駅に戻った私は仙石線に乗り、仙石線の震災遺構・旧野蒜駅に足を運びますが、続きは次回の記事(Part2)に書きたいと思います。
続きは「2018年 東北縦断の旅・Part2ー震災遺構・旧野蒜駅を訪ねて」へ
「2018年 東北縦断の旅」のその他の記事はこちら、その他の旅行記はこちら
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